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高い声をラクに出したい! 基礎トレーニング編

ベルカント

リップロール、タントリル(巻き舌)

ボイトレ経験者ならばご存じな「リップロール」「タントリル(巻き舌)」

これは歌の基礎として有効であり、必須です。

しかしながら、YouTubeなどで紹介されている動画の説明を見ると「?」と思うことが多く見受けられます。

「それじゃ意味ないんじゃ・・・」と感じることが多く複雑な心境です。

まあ、やらなよりはいいんですけどね(*^-^)

このブログにたどり着いた皆さんは幸運です。
今日は「正しいリップロール」に挑戦してみましょう。

正しい(効果の高い)リップロール:動画

まずは動画で確認しましょう。

はい、これだけです。

これだけですが恐らくできる人は5%くらいだと思います。

注意する点は、
音程が変わるタイミングでティッシュが落ちてこないようにすることです。

音程を喉でコントロールしている人は、音程を変えるたびにティッシュの暖簾(のれん)が落ちてきてしまいます。

リップロールはそもそも息を一定にする事が目的ですので、必ずティッシュ暖簾を顔の前に垂らして確認してください。

ティッシュ暖簾が上がらない人は、呼吸が間違っています。

こちらを参考に頑張ってください。

呼吸シリーズ①
呼吸シリーズ②
呼吸シリーズ③
呼吸シリーズ④




リップロール・タントリル(巻き舌):図解

ちょっとアレな絵なんですが気にしないでくださいね(笑)

ポイント①息のスピードと強さ



ティッシュ暖簾を上げ続けられる

Aエリアで唇(リップロール)または舌(巻き舌)を保っていられる
強さを持った息であること。

これが大切です。

そうすることで作り出された息(青い線)声帯を振動させる。

これが基本です。


ですが、これ、
正しい呼吸が出来ないと、そもそも暖簾が上がらないと思います

体の力を抜いて、しっかり肺に吸ってくださいね。

レガートの基本です。


ポイント②音程変化で息を変えない

無事、暖簾が上がる呼吸が身についたら次のことに注意してください。

まず、音程を2度あるいは3度変えていきます。動画のように一息で行いましょう。


声の音程を喉でコントロールしている人は、
音程が変わるたびにティッシュ暖簾が落ちてきます
息が一定ではない(レガートが出来ない)、コントロールできていない。ということです。


3度音程でこれが出来るようになったら、歌いたい歌をこの状態で(リップロールで)1コーラス歌いましょう。
高い音や低い音で力みすぎると息が止まり(スピードが落ちるor弱くなる)暖簾が落ちてきます。
息が足りなくなると思いますから、フレーズの長さは気にせず、何回も吸ってください。
このトレーニングは息を長く吹く練習ではなく、息と声帯のバランスを整えるためのトレーニングです。息をセーブしてはいけません。


これがベースのフォームですから、あきらめずに頑張ってくださいね。

歌声を取り出す:動画


以上のことができるようになったら、歌声を取り出します。
ご覧ください。



ティッシュ暖簾を保ったまま、唇or巻き舌の振動を止めます。
その時に出る声が基本の「歌声」です。


注意点は、リップロールや巻き舌を止めて声を取り出すときに、
ティッシュ暖簾が下がってはいけない
、ということ。


ティッシュ暖簾が下がるということは息を一定にコントロールできていないということの証です。

声だけになったときに息のスピードや強さが保てないと、
いくらリップロールの時に良い声帯の使い方が出来ていたとしても、
普段の歌声には活かされないということですね。



補足


このトレーニングを行うと、声帯のベルヌーイが良くできるようになっていきます。

声帯が薄く息になびくようになり、ぴったりと閉じていきます。

その途中過程で、喉がかゆくなったり、せき込んだりすることが有りますが、心配いりません。


声帯の不思議とその秘密
↑こちらにある動画を思い出してください。

声帯に力みが生じていると、声帯は動画のように紙ではなく段ボールのように固くなっています。

このトレーニングで息でマッサージされることにより、
段ボール紙が画用紙に、画用紙が薄い紙になるように、
声帯が薄く柔らかく使えるようになっていきます。

声帯にそのような変化が起こるときに、声帯がかゆくなったり、せき込んだりするのです。
喜ぶべきことですね。

声帯がそのような状態になったら、5分くらい休憩してから再開しましょう。

決してそこでやめてしまわないように。
せっかくの効果が無意味なものになってしまいます。




リップロール人気

20年前、広瀬香美さんのボーカルスクールで発声テキスト制作に携わった際に、
「リップロール」と「タントリル」でのトレーニング法をテキストに掲載しました。

これは広瀬さんがセス・リッグス氏の元で習得されたもので、セスリッグス氏のボイトレ理論本にも書かれておりました。その当時は「リップロール」や「タントリル」を用いてボイトレする方法は日本では知られておらず、20年たった今では、どこもかしこも「リップロール」をされているようで、とてもうれしく思います。

ただ、YouTubeなどでリップロールについての動画を見るとその説明に「?」と思うことが多く、「リップロール」「タントリル」は声に良いのは知っていても、その理由や正しいやり方をわからずに行っている人が多いように思います。

まぁ、不十分でも少々理解が違っていても、やらないよりはマシなんですけどね。

今日はリップロールについて正しく理解していただけたと思います。

効果のあるリップロールをやろうとするとその難しさに気づくと思います。
特に日本人にはハードルが高いです。

しかしながら、確実に声が変わります。


レガートとは何かスルフィアートとは何か?
ミックスボイスとは何か?

正しいリップロールはこれらの近道なのです。


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次は「鼻」についてです。

鼻腔共鳴の誤解

こちらも参考にどぞ!

リップロールのティッシュが上がらない。というお問い合わせが・・・多いのです。

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