日本では昔から腹式呼吸で歌っていた?・・・という勘違い
日本では昔から腹式呼吸で歌っていた?・・・という勘違い
では、腹式呼吸という名称が二木氏によってラベリングされる前から、
日本では腹式呼吸を用いて歌を歌っていたのでしょうか?
これについて僕の取材はまだ充分とは言えませんが、純邦楽の分野の方々の意見を聞くと大体こんな感じです。
「腹式呼吸は西洋音楽の人にお任せしています。」
(私たちは腹式呼吸なんてやっておりません)
はい。これ↑が答えです。
最近になって日本の謡いや楽器の分野でも「腹式呼吸」という言葉を使う人がチラホラ現われるようになっているそうですが、
これは現代の人向けに後から取り入れた言葉なのだそう。
日本では昔から腹式呼吸を用いて歌っている、とまことしやかに言われてきたことは間違いなのです。
事実は小説より奇なり。
ですね。
それとは逆に武道などでは気合を発声するときに「腹から声を出せ」と言われています。
「いや~!」とか「え~い!」とか、型と共に発声する時のアレです。
しかしこれは歌の発声とは言えません。
合気道などでは顕著ですが、準備運動の時に「気を丹田に降ろす」ということをします。
茶道などでも「居住まいを正す」という表現で、丹田によって体を支えるような意識をさせますね。
しかし「お腹に息を入れる」という表現はごくごく最近のことだそうです。
なんかいろいろとごちゃ混ぜになってしまったんでしょう。
まさか二木氏も腹式呼吸が歌で用いられるなんて思ってもいなかった、
かも知れませんね。
と僕の中のアインシュタインが囁きます(笑)
さて、前置きが長くなりましたが、
今日の本題に行く前に今の時点で前回の記事からお読みになっている人の中には「腹式呼吸の呪い」から少し解き放たれた人がいらっしゃるでしょう。
カンの良い人や、発声のことを突き詰めようと熱心に勉強している人なのだと思います。
良きかな、良きかな。
まだお読みでない方はぜひご一読されてから先のページに進むのをお勧めします。
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