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腹式呼吸という呪い・その2。~ 胸式呼吸という悪者 ~ヴォイストレーニング!呼吸シリーズ②

ベルカント

胸式呼吸という悪者

胸式呼吸という悪者



さて、今日の本題。
胸式呼吸(と呼ばれているもの)についてです。



日本は腹式呼吸の呪いに支配されていますので、総じて胸式呼吸は悪者になっています。
もう、笑っちゃうレベル。


その人たちに言わせると、

胸式呼吸(と言われているもの)は、

息を吸ったときに横隔膜が下がらず、浅い呼吸。なのだそう。

・・・(しばし無言)

・・・(まだ無言)

そしてさらに、

胸式呼吸(と言われているもの)は、
息を吸ったときに肋骨が開き、ダメな呼吸。なのだそう。

・・・(空いた口が塞がらない)

↑あのねぇ、これ、医学・解剖学に反してますよ?



どんな息の吸い方であれ、息を吸ったときに肋間が開かなかったり、横隔膜が下がならいのならばその人は奇形か病気です。すぐに医師の診断を受けましょう。
というレベルの勘違いですね。
ていうか詐欺?




あとね、

胸式呼吸(と言われているもの)

息を吸ったときに肩が上がってしまうので、ダメな呼吸です。
ていうやつね。

胸式呼吸なるものがどんな呼吸のことを言っているのか僕には定かではありませんが、

肩が上がるのは胸腔が開かないからですよ。

息を吸ったときにしっかり胸腔が開けば(肋間が広がれば)、肩は下がります

もうこれは説明するのが申し訳ないような、人体・解剖学以前のなんていうか理科のレベル。

とにかくひっちゃかめっちゃかですね。



しかしながら日本人は腹式呼吸の呪い下にありますから、肋間筋の動きが退化している人が多いように思います。
僕はこれを「胸が固い」と表現しています。


これは発声に良くないのでレッスン・トレーニングによる矯正が必要です。

外国の方は日本人のこの状態を「息が吸えてない」と表現する講師・トレーナーが多いです。
まさか日本人が意識的に肋骨の動きを止めようとしているなどとは外国の方にはわかりませんからね。だって人体の動きに反してますから想像しようがありませんもの。

これについては外国人の先生方にあまり罪はないと思います。




本題に戻します。
横隔膜は胸腔内にあります(肋骨の下ではありません)。

横隔膜が肺の動きをコントールして息を吸います。
肺が自力で膨らむことはできません。
肋骨と横隔膜で胸腔の陰圧を強めて外気を取り入れるのです。

つまり人間というか哺乳類はみんな肋間筋横隔膜で息を吸っているのです。

ちなみにレッスン時の経験上ですが、女性は下腹部を守る身体上の特性により横隔膜の動きが弱く(少なく)肋間筋の方がより発達しているように思います。



端的に言ってしまうと、
横隔膜が下がらない・胸腔が膨らまない呼吸は存在しないのです。

呪いにかかっていなければね。

哀れなのは胸式呼吸さんです。
腹式呼吸信奉者からあまりにも仮想敵に設定され過ぎていて、もはや可哀そうを通り越してしまいます。
しかも残念なことにこれはあらゆる分野に浸透してしまっています

怖い。((´д`)) ブルブル…


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